自然素材の家に合わせた障子の張り替え|小麦粉糊で張る土佐和紙の施工例
設計室 古西
障子が破れたり、たるんできたりすると、部屋全体の印象も変わってしまいますよね。
宝塚モデルハウスでも、障子が一枚破れてしまったことをきっかけに、張り替えを行いました。
このモデルハウスは、自然素材をふんだんに使用した住まいです。
そのため、障子も空間に合わせて素材を選び、「土佐和紙」と「小麦粉糊」を使用しました。
一般的な市販障子紙とは少し異なる、素材にこだわった張り替え方法をご紹介します。
障子の張り替えに必要な道具・材料
主な材料
- 障子紙(土佐和紙)
- 小麦粉(強力粉)
- 水
使用した道具
- 鍋
- へら(糊を混ぜる)
- はかり(計量カップ)
- 糊を入れる容器
- 刷毛(糊をつける)
- 撫で刷毛/撫でヘラ(紙を押さえる)
- 定規・カッター・ハサミ
- 霧吹き
- 雑巾
- 養生テープ
- 作業台
※その他、障子のデザインにより特別に用意したものがあります。
※市販の「障子紙用カット定規」を使う方法も便利です。

小麦粉糊の作り方(配合とポイント)
配合
粉:水 = 1:5
(例:粉100gに対して水500ml)
作り方
- 粉を計量し、ふるう
- 鍋に粉と水を入れてよく混ぜる(ダマがなくなるまで)
- 弱めの中火にかけ、絶えずヘラで混ぜる
- 半透明になり、とろみがついたら火を止める
すくった糊がまとまり、ゆっくり落ちる程度が目安です。
粘りが強すぎる場合は、水を少しずつ足して調整します。

ダマがなくなるまで混ぜる

すくった糊がまとまり、ゆっくり落ちる程度になったら火を止める
※糊は冷蔵庫に入れると付きにくくなるため注意が必要です。
和紙とパルプ入り障子紙の違い
今回使用したのは「純楮障子紙(じゅんこうぞしょうじがみ)」。
楮(こうぞ)という植物の樹皮からとれる繊維を原料にした和紙です。
見た目はパルプ入りの障子紙と似ていますが、手で割くと違いがはっきり分かります。
- パルプ入り:繊維が短く、ちぎれやすい
- 楮和紙:繊維が長く、強度と耐久性が高い


自然素材の家では、素材の相性も大切にしています。
障子の張り替え手順
① 作業場の準備
平らで安定した作業台や床の上に養生シートを敷き、障子を置いて作業します。糊や水を使うため、周囲が汚れないように準備しておくと安心です。
今回は、障子のデザインにより反り止め桟を取り付けたことで高さに差が出たため、障子がガタつかないよう下に支え棒を入れて調整しました。

② 古い障子紙をはがす
霧吹きで全体に水をかけ、1〜2分待ってから剥がします。
残った糊や紙は雑巾で丁寧に拭き取ります。



③ 糊付け
刷毛に糊をつけ、桟に塗ります。
ポイントは「こすらないこと」。
トントンと軽く置くように塗ると、糊が垂れにくくなります。

④ 和紙を張る
和紙を合わせたら、中央から外側へ向かって撫で刷毛でやさしく押さえます。
空気を外へ逃がすようなイメージでなでていくと、シワや気泡ができにくくなります。
※撫で刷毛がない場合は、乾いたスポンジや柔らかい布でも代用できます。強くこすらず、やさしく空気を外へ逃がすように押さえます。

⑤ 紙をカットする
和紙を張り終えたら、余分な紙をカットします。
「紙じゃくり」という紙を貼るときに糊を付けるための凹みがある場合は、その溝に沿って定規を当てながらカッターで切ります。
今回の障子は、紙じゃくりがないので、カット位置の目印に、紙を剥がす前に周囲に養生テープを貼り、内装用定規を当てながら、カッターで切り進めました。
※養生テープを貼る場合は、剥がす際に木枠がささくれる場合があるので、ゆっくり慎重に剥がしてください。
市販の「障子紙用カット定規」を使用する方法も便利です。

⑥ 霧吹きで仕上げ
外周部の糊が少し乾いて、和紙が付いているようなら、全体に霧吹きをします。
乾燥すると、水分が均一に行き渡り、紙がピンと張ります。
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霧吹き
\完成/

今回のポイント|横桟が少ない障子の場合
宝塚モデルハウスの障子は横桟が少ないデザインでした。
そのため、縦桟が反る可能性があります。
今回は反り止め桟を取り付けてから施工しました。
デザインによっては、こうした下準備が必要になる場合もあります。

宝塚モデルハウスの障子


まとめ
障子の張り替えは、道具や材料をそろえればご家庭でも可能です。
今回はモデルハウス仕様の“こだわり版”での施工でしたが、
市販材料を使った張り替え方法も動画でご紹介予定です。
今回の作業の様子はYouTube動画でもご覧いただけます。
ぜひあわせてご覧ください。
実際の施工の様子はこちら⇩
