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その扉 本当にいりますか?~オープン収納のメリット・デメリット~

2021.09.10

設計室 佐近友佳子

 

収納と聞くと「扉つき収納」をイメージしますが、私は「扉なし収納」の選択肢もめっちゃあるよねと思っています。実際、最近完成しお引渡しさせて頂いた新築物件でも、個室(寝室)内の収納はオープンでご提案しました。

扉あり収納

扉なし収納

もちろん「どうしてもつけたい!」とこだわりのある方はつけるべきですが、あまり考えたことがないよーという方は「扉なし収納」も検討されることをおすすめします。(扉なし収納を以後オープン収納と表記します)

 

「扉つける・つけない」の決断方法

「扉つけたらよかったー、扉つけなければよかったー」と後悔しないようにしっかり検討して決めたいですよね。

それをどう判断するか…まずは以下の「オープン収納」のメリット・デメリットを見て、ご自身がメリットを喜べるか、またはデメリットを許せるかを確認してみてください。

 

メリット

●扉を開け閉めするワンアクションが省ける
 モノを持ったまま四苦八苦しながら扉の開け閉めをした、足で開け閉めした…皆様にもそんな経験はありませんか?当然、扉がなくなると、その苦労がなくなります。ちょっとしたひと手間を省いた快適さは、病みつきになりますよ!

●収納内が魔の巣窟になりづらい
 魔の巣窟!?(いらないモノのたまり場という意味で使っています)そんな大げさな!と思われるかもしれませんが、扉で隠された収納には、不要なモノ(肩パット付きのバブル時代の服とか、見返すことのないポエムノートとか…)が住み着いていることがあります。
貴重なお家の一部が、使わないモノに占領されるのはもったいないですよね。
一方、オープン収納の場合、中のモノを把握しやすいですし、溜まってきたのが分かるので、必然と整理するようになります。

●空気がこもらない
 湿気やすい位置の場合、空気の動きが滞るとカビが生えることがあります。オープン収納ですと空気が動きやすい分、カビ発生リスクを低減することができます。

●扉分のコストカットができる
 家全体の金額からみると小さなコストカットですが、チリツモで大きな金額になるので侮れません。

 

デメリット

●ごちゃごちゃして見える
 言わずもがなですが、扉が無いと中身が見えます!!整理整頓が苦手、かつモノが多い、かつ見た目はキレイにしたい、という方にはおすすめできません。
●埃が行き来する
 収納内の埃が部屋へ、部屋の埃が収納へ、と埃が行き来してしまいます。もちろん扉があっても開け閉めのたびに埃が動くのですが…。年に数回しか使わないモノを入れる場所は、扉がある方がいいですよね。
●大事なもの恥ずかしいものをしまいづらい
 誰しも他人には見せたくないモノがあるかと思います。貴重なモノや恥ずかしいモノはそっと扉の向こうにしまいましょう。
●匂いがうつる
 特にキッチンコンロ近くに匂い移りが気になるモノ(衣類や紙類など)を収納する場合は気をつけましょう。

 

部屋やライフスタイルによっても違います

「考えてみたけど、デメリットを許せるかどうかは場所によって違うかも」と思われた方…さすがです!収納のある部屋や住まう人のライフスタイルによっても、扉の要不要は変わってきます。

例えば、来客の多いファミリーのお家で、リビング収納がオープンの場合…
・お客様がいらっしゃる度にリビング収納を片づけないといけない(リビング自体も片づけないといけないのに!?)
・大切なものを入れづらい(リビング収納って印鑑や書類を入れる想定の方も多いと思います)
とストレスに感じることが多くなってしまいます。

“ メリット < 整理整頓・掃除の手間 “となりそうな時は扉つき収納が無難な判断です。

 

扉以外の選択肢も

収納と部屋の“仕切り“として、扉以外にもカーテンやロールスクリーンという選択肢もあります。ロールスクリーンであれば、いつもは上げておき、来客時だけ下して隠す”ほぼオープン収納“にできます。

 

ロールスクリーン

 

まずはお試しで扉をはずしてみては

今のお住まいでも、一度収納を確認してみてください。いつも家族が開けっ放しにしている扉はありませんか?そんな収納があれば、思い切って扉をはずしてみてはいかがでしょうか?

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