Ki.Go.Ko.Roブログ

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日本の気候と家造り

設計室 井上理代奈
 私が学生の時、授業の余談の中で驚いたことの一つに“日本の家は夏向き”というものがあります。
日本の気候は四季がはっきりしており夏季は高温多湿で冬季は比較的気温が低く乾燥しています。また春・秋には移動性高気圧と温帯低気圧の影響により天気が不安定となり、梅雨の時期には2つの気団がぶつかり梅雨前線が発生し雨の日が続きます。台風の時期には熱帯低気圧が発達し強風・豪雨により様々な災害を発生させます。比較的年間雨量が多いのも特徴です。そんな世界でもめずらしい日本の気候ですが昔から様々な工夫がされてきました。それが日本家屋です。
 日本家屋というと「木造」というイメージが強くあります。また無垢の木は切り倒されて住宅に使用されてからも生き続けるという特徴があり、呼吸しながらも安定し長持ちするといわれています。日本の木造住宅=日本家屋は高温多湿の日本の風土に合わせ「夏を快適に過ごしやすい“夏向きの家”」として造られていると言われています。日本三大随筆の一つとして評価されている、徒然草(鎌倉時代末期の随筆)の中にも「家のつくりやうは夏を旨とすべし。冬は如何なる所にも住まる(家の造り方は夏を主とするのがよい。冬はどんな所にも住むことができる。)」と書かれているのです。


無垢の床(スギ)


 
夏を快適に過ごしやすい日本家屋の工夫とは?
・軒が深い…強い日差しを遮るほか、雨から外壁や木材の劣化を防ぐと言われています。
・襖や障子…和紙が使われており調湿性に優れています。また取り外しが可能なため、部屋がつながり風通しを良くし温度を調節することができます。
・漆喰、土壁…調湿性・保温性があると言われ、変化の多い日本の気候にぴったりで快適な空間を保ってくれます。
・縁側…部屋の外側にあり、強い日差しが直接部屋に入るのを防ぐ役割をしています。


神戸ギャラリー 壁


漆喰壁


これらはほんの一例にすぎませんが、涼しく過ごすために暑さ、湿気の対策として工夫されています。
(※弊社モデルハウスでも襖や障子、漆喰などをご覧いただけるかと思います。また実際の物件の見学会も開催しておりますので弊社ホームページや公式SNSで新着情報をご確認ください。お待ちしております。)


宝塚モデルハウス 障子


また日本家屋には過ごしやすい工夫だけでなく、“地窓”を設け床に座りながら庭などの景色を楽しんだり、“床の間”に美術品や生け花、掛け軸などでお客様をもてなすなど日本人らしい様々な細かい工夫が施されているのです。
しかし日本列島は南北に長いため、その地域によってやはり大きく違いがでてきます。
北海道や東北地方では、冬はかなり気温が下がり大量の雪が降り積もります。そのため屋根の勾配をきつくして積もった雪を落ちやすくして倒壊リスクを防いだり、玄関を二重にして冷気が入りにくくする工夫が施されています。
一方沖縄県では、台風の上陸が非常に多いため平屋建てが好まれ暴風対策として網入りガラスやガラスの厚い窓を採用や、1年中温暖なため暑さ対策として風通しの良さを考え工夫が施されています。

日本の気候と家造りについてご紹介しましたが、なかなか住んでいる地域以外の家造りについて考える機会はありませんが、日本の中でもこれだけ大きな違いがみられることがわかりました。もっと範囲を広げ世界の家造りを見てみると様々な工夫や固定概念が覆るような新しい発見があるかもしれません。今後、様々な旅行先の注目ポイントとして見てみるとおもしろそうだと感じました。

********
宝塚モデルハウス の詳細はこちらをご覧ください。
神戸ギャラリー はこちら
モデルハウス見学予約はお問い合わせフォームまたはフリーダイヤル0120-39-0194よりお願いいたします。


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日本の気候と家造り

設計室 井上理代奈
 私が学生の時、授業の余談の中で驚いたことの一つに“日本の家は夏向き”というものがあります。
日本の気候は四季がはっきりしており夏季は高温多湿で冬季は比較的気温が低く乾燥しています。また春・秋には移動性高気圧と温帯低気圧の影響により天気が不安定となり、梅雨の時期には2つの気団がぶつかり梅雨前線が発生し雨の日が続きます。台風の時期には熱帯低気圧が発達し強風・豪雨により様々な災害を発生させます。比較的年間雨量が多いのも特徴です。そんな世界でもめずらしい日本の気候ですが昔から様々な工夫がされてきました。それが日本家屋です。
 日本家屋というと「木造」というイメージが強くあります。また無垢の木は切り倒されて住宅に使用されてからも生き続けるという特徴があり、呼吸しながらも安定し長持ちするといわれています。日本の木造住宅=日本家屋は高温多湿の日本の風土に合わせ「夏を快適に過ごしやすい“夏向きの家”」として造られていると言われています。日本三大随筆の一つとして評価されている、徒然草(鎌倉時代末期の随筆)の中にも「家のつくりやうは夏を旨とすべし。冬は如何なる所にも住まる(家の造り方は夏を主とするのがよい。冬はどんな所にも住むことができる。)」と書かれているのです。


無垢の床(スギ)


 
夏を快適に過ごしやすい日本家屋の工夫とは?
・軒が深い…強い日差しを遮るほか、雨から外壁や木材の劣化を防ぐと言われています。
・襖や障子…和紙が使われており調湿性に優れています。また取り外しが可能なため、部屋がつながり風通しを良くし温度を調節することができます。
・漆喰、土壁…調湿性・保温性があると言われ、変化の多い日本の気候にぴったりで快適な空間を保ってくれます。
・縁側…部屋の外側にあり、強い日差しが直接部屋に入るのを防ぐ役割をしています。


神戸ギャラリー 壁


漆喰壁


これらはほんの一例にすぎませんが、涼しく過ごすために暑さ、湿気の対策として工夫されています。
(※弊社モデルハウスでも襖や障子、漆喰などをご覧いただけるかと思います。また実際の物件の見学会も開催しておりますので弊社ホームページや公式SNSで新着情報をご確認ください。お待ちしております。)


宝塚モデルハウス 障子


また日本家屋には過ごしやすい工夫だけでなく、“地窓”を設け床に座りながら庭などの景色を楽しんだり、“床の間”に美術品や生け花、掛け軸などでお客様をもてなすなど日本人らしい様々な細かい工夫が施されているのです。
しかし日本列島は南北に長いため、その地域によってやはり大きく違いがでてきます。
北海道や東北地方では、冬はかなり気温が下がり大量の雪が降り積もります。そのため屋根の勾配をきつくして積もった雪を落ちやすくして倒壊リスクを防いだり、玄関を二重にして冷気が入りにくくする工夫が施されています。
一方沖縄県では、台風の上陸が非常に多いため平屋建てが好まれ暴風対策として網入りガラスやガラスの厚い窓を採用や、1年中温暖なため暑さ対策として風通しの良さを考え工夫が施されています。

日本の気候と家造りについてご紹介しましたが、なかなか住んでいる地域以外の家造りについて考える機会はありませんが、日本の中でもこれだけ大きな違いがみられることがわかりました。もっと範囲を広げ世界の家造りを見てみると様々な工夫や固定概念が覆るような新しい発見があるかもしれません。今後、様々な旅行先の注目ポイントとして見てみるとおもしろそうだと感じました。

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