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建物散策2

設計室 佐近友佳子

 コロナも落ち着いてきたように感じますが、まだなんとなく外出しずらい自粛ムードが漂っていますね。そこで再び、以前の旅行の様子を御裾分けしたいと思います。
行先は群馬県高崎市。高崎市は関東平野の北端に位置する、群馬県を代表する都市です。兵庫県加東市から電車等を利用していきますと、東京経由で6時間程かかります。なかなか遠いです!

前回は群馬音楽センターをご紹介しましたが、今回はそのあと回った旧井上房一郎邸をご紹介します。


旧井上房一郎邸は、高崎市の芸術文化の振興に深くかかわった井上房一郎(いのうえふさいちろう)の自邸として建てられました。この自邸、実は建築家アントニン・レーモンドの自邸とそっくりに建てられた住宅です。アントニン・レーモンドとはチェコ出身の建築家で、以前ご紹介した群馬音楽センターの設計者です。

井上房一郎は自宅が1952年に焼失した際、以前に見たレーモンドの自邸とほぼ同じものを建てたい、と思いついたのだそうです。彼らは戦前・戦後を通じて深く交流があったそうで、この井上房一郎邸もレーモンドの了解を得て、建てられたものだそうです。友情の証ですね。
私だったら、友達から「あなたの家と同じものが建てたいなぁ」と言われたらとても嬉しいです!レーモンドも喜んで、快諾したのではないでしょうか…!
因みに、本家のアントニン・レーモンド自邸はもう見られないので、とても貴重な建物です。

井上房一郎邸へは、高崎市美術館を通って入場します。


現在の建物へのアプローチは玄関側からではなく、リビングの前を通り中庭(パティオ)から建物へ入るルートになっていました。
深いけど軽やかな軒の出が素敵です。軒を支えている丸太の太さや長さが、軽やかに魅せているように感じます。質素な材料ですがとてもモダンです。


 パティオにはガラスの屋根がかかっていて、明るい空間になっています。季節の良い日にはここで食事などをされたのでしょうね。うらやましい空間です!


 パティオの東隣がリビングです。丸太を組み合せた架構や障子の線が、細くて軽やかな印象を受けます。(写真が下手ですみません)部屋を貫いている白いものは、和紙で覆われた暖房用のダクトです。



リビングには、レーモンド夫人のノエミ・レーモンドがデザインした家具が置いてありました。こちらも、脚と天板が離れたデザインで軽やかです。


パティオを挟んで向かいには寝室があります。リビングと同じ構造ですが、南側窓の前に家具が配されていて、とても落ち着いた空間になっています。リビングの様子もうかがえたりして…。パティオを挟んでいても見える2部屋は、近すぎず遠すぎず、心地よい関係性です。



リビングなどの間仕切りには、縁まで和紙を張った坊主襖が使われていました。低い高さで、ブルーに張り替えてあるところがかわいらしいですね。



開放的かつ落ち着いた空間で、とても居心地が良い場所でした。ぜひ皆様にも見て頂きたい建築です!高崎市には「絶メシ」なるグルメもあるので、かなり面白いエリアです。ぜひ皆様の行きたいところリストに加えてみてくださいね!


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関連ページ:建物散策


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 コロナも落ち着いてきたように感じますが、まだなんとなく外出しずらい自粛ムードが漂っていますね。そこで再び、以前の旅行の様子を御裾分けしたいと思います。
行先は群馬県高崎市。高崎市は関東平野の北端に位置する、群馬県を代表する都市です。兵庫県加東市から電車等を利用していきますと、東京経由で6時間程かかります。なかなか遠いです!

前回は群馬音楽センターをご紹介しましたが、今回はそのあと回った旧井上房一郎邸をご紹介します。


旧井上房一郎邸は、高崎市の芸術文化の振興に深くかかわった井上房一郎(いのうえふさいちろう)の自邸として建てられました。この自邸、実は建築家アントニン・レーモンドの自邸とそっくりに建てられた住宅です。アントニン・レーモンドとはチェコ出身の建築家で、以前ご紹介した群馬音楽センターの設計者です。

井上房一郎は自宅が1952年に焼失した際、以前に見たレーモンドの自邸とほぼ同じものを建てたい、と思いついたのだそうです。彼らは戦前・戦後を通じて深く交流があったそうで、この井上房一郎邸もレーモンドの了解を得て、建てられたものだそうです。友情の証ですね。
私だったら、友達から「あなたの家と同じものが建てたいなぁ」と言われたらとても嬉しいです!レーモンドも喜んで、快諾したのではないでしょうか…!
因みに、本家のアントニン・レーモンド自邸はもう見られないので、とても貴重な建物です。

井上房一郎邸へは、高崎市美術館を通って入場します。


現在の建物へのアプローチは玄関側からではなく、リビングの前を通り中庭(パティオ)から建物へ入るルートになっていました。
深いけど軽やかな軒の出が素敵です。軒を支えている丸太の太さや長さが、軽やかに魅せているように感じます。質素な材料ですがとてもモダンです。


 パティオにはガラスの屋根がかかっていて、明るい空間になっています。季節の良い日にはここで食事などをされたのでしょうね。うらやましい空間です!


 パティオの東隣がリビングです。丸太を組み合せた架構や障子の線が、細くて軽やかな印象を受けます。(写真が下手ですみません)部屋を貫いている白いものは、和紙で覆われた暖房用のダクトです。



リビングには、レーモンド夫人のノエミ・レーモンドがデザインした家具が置いてありました。こちらも、脚と天板が離れたデザインで軽やかです。


パティオを挟んで向かいには寝室があります。リビングと同じ構造ですが、南側窓の前に家具が配されていて、とても落ち着いた空間になっています。リビングの様子もうかがえたりして…。パティオを挟んでいても見える2部屋は、近すぎず遠すぎず、心地よい関係性です。



リビングなどの間仕切りには、縁まで和紙を張った坊主襖が使われていました。低い高さで、ブルーに張り替えてあるところがかわいらしいですね。



開放的かつ落ち着いた空間で、とても居心地が良い場所でした。ぜひ皆様にも見て頂きたい建築です!高崎市には「絶メシ」なるグルメもあるので、かなり面白いエリアです。ぜひ皆様の行きたいところリストに加えてみてくださいね!


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