

家族が代々同じ家に暮らす。かつての日本では当たり前の風景でした。しかしそれは高度成長の中で、次第に若い世代の重荷となり、やがて世代ごとに個別に家をもつことが、当たり前になっていきました。
それが良いことか悪いことかを議論しようというのではありません。
ただ、そのことによって百年、二百年もつ家を建てられる職人技と、一つのものを大切に使うという習慣が、日本人の中から失われつつあることだけは何とかしたいと平尾工務店では思っています。
それは一家族のことだけではなく、地球環境にも関わってくることだからです。

便利さと快適性を求めて―。経済を動かす大きなうねりの中で、使い捨て生活の中にどっぷりと浸っている私達。快適生活を支えるために犠牲になっているのは、物言わぬ自然界の生き物達です。人間がここまで利己的になってよいのか。ささやかでも、自分達にできることをしていきたい。多くの人達がそう考えておられるのではないでしょうか。平尾工務店もそんなみなさんと同じ考えを持つ一人です。
とは言っても、平尾工務店にできることは住宅を建てることしかありません。だから、どのようにすれば住宅を通してお役に立てるのかを、一生懸命考えました。
そうして辿り着いたのが、
『できるだけ長く、大切に住み継いでもらえる家をつくる』
という、とてもシンプルな結論です。
ただ頑丈な家を建てればよいとは思っていません。家族が、ここにずっと暮らしたいと心から願うような家。生まれ、育ち、老いていくという命のいとなみを、しっかりと支えてくれる家。平尾工務店がつくりたいのはそんな家です。そのために私達が取り組んでいることを、次章からお話ししていきたいと思います。
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